噂が本当だった。ケンドリックは本当にアルバムを二枚リリースしたのだ。

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ケンドリック・ラマーが極めて巧みな新アルバム「DAMN.」をリリースしたそのほんの数時間後、ネットではある噂が大炎上した。誰が言い出したかは不明だが、一説にはケンドリックは実は同週末にアルバムを二枚リリースする予定だった、というのだ。詳しい内容・根拠はワイルドに想像力に富んだものである一方、中には驚く程細かい描写もあった。普通だったら「こりゃガセネタだろう」と流したくなるような要素の勢揃い。

その主な要素とは次のとおり。「DAMN.」は聖金曜日 [Good Friday: 復活祭の前の金曜日。キリストの命日] にリリースされたもので、ケンドリックの死を象徴している。(ネット上の)空論家たちは、ケンドリックが次に「NATION.」というタイトルで「自分の復活」と意味で二枚目のアルバムを復活祭にリリースするのではないかと暗示し出した。タイトルを合わせると「DAMNATION」[天罰] となる。ケンドリックの音楽にはスピリチュアルな要素も含まれており、早くも「Section.80」というアルバムの時点ですでに「Kush & Corinthians」[クッシュとコリント人]のような曲があり、ジャケットには聖書が写っている。また、アルバムのリリースに向けて The New York Times とのインタビューの中でケンドリックはこう語る。
「俺たちは人生と呼ばれるあらゆるものごとから、ある一つの大きな要素を排除しがちな、そんな時代にいるんだ。つまり神だよ。今、世界で起きていることとの間に軋轢を生んでしまうから誰も言わないけど。政治や政府、体制について語ろうとするとさ」。

section80

噂を裏付ける詳細も豊富だ。「DAMN.」のジャケット裏は、全曲が最後まで大文字で書かれ、それを強調するかのように「.」で終わり、白い背景へと溢れるようなレイアウトになっている。噂によるとこれらは一つのアナグラム(つづり換え遊び)のつもりである。つづり換えると「Earth led 2 Death [地球は死を招いた]」や「Death 2 the leader [リーダーに死を]」などと、噂のコンセプトを強化するようなフレーズがいくつか成り立つとみられる。更にいうと、「DAMN.」のM字がちょうど悪魔の角とも捉えてもいいようにケンドリックの頭の上に位置しており、今度「NATION.」ではO字を天使の輪に見立てるのではないかという説だった。また「DAMN.」のカバーは赤だから、「NATION.」は青になるだろうと。そしてケンドリック本人も火に油を注ぐように「DAMN.」のリリース直後に、Spotifyのプロフィール写真を変え、赤だった背景が青になっていた。その後、「NATION.」の偽アートワークが出回り始めた。

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二日間、世の中は息をひそめて「NATION.」のリリースを待った。期待が外れたと気付くと、噂の火が弱まりかけたが、数日後にアルバムのサイン会でケンドリックが口にしてしまった一言でまたすぐ様に大炎上した。
「俺の音楽、まだあるよ」
この言葉が大騒ぎを起こし、それを正すべくケンドリックは公式声明を発表せざるを得なくなった。「 KenFolk [ケンドリックファンの皆] へ。皆から、自分の音楽への、止まない期待と欲望に、感謝。しかしリリースはないよ。自分の活動は今後の俺たち TDE (Top Dawg Entertainment) の日程発表でわかるよ、でも」

ファンたちはもちろんがっかりした。幻覚を起こすような圧倒的な発想だったし、ケンドリックなら上手くやれそうなはずだったからである。が、しかし、「DAMN.」を消化して二週間経った今や、どうやら噂は本当だったようだ。ケンドリック・ラマーは本当に二枚のアルバムをリリースしている。ただ単にほとんどの人が気付かなかっただけなのである。

ゼイン・ロウとのインタビューで(「DAMN.」リリース以来唯一のインタビュー)ケンドリックはアルバムのコンセプトに関して非常に用心深い姿勢だったが、耳をすませば大きなヒントを二つ出してる事に気づく。一曲目の BLOOD.についてロウが投げかける「この曲は終わりの始まり?それとも始まりの終わり?」という質問に対してケンドリックは微笑みながら言う
「それは言えないよ。言えないのはそれじゃん、おい。そこが全てだよ」。

44分間のインタビューの中、ここが最も意味のある部分だった。BLOOD.の出だしは「悪意か、弱さか。君が決めるんだ。俺らは生きるか、それとも死ぬのか」。「DAMN.」の中でケンドリックが創り上げる音の旅の鍵はそこにある。
「悪意か、弱さか」というのがこのアルバム全体を通してのテーマの一つでもある。ケンドリックはこの問いを何度も持ちかける。深い哲学的な問いである。人生は運命によって決められているものなのか、それとも人間は選択の自由を備えられたものなのかという。人は誰しもが罪を犯すもの。それは疑いのない事実。ただケンドリックが知りたいのは、人間の犯罪は生まれ持った悪意から生じるものなのか、それとも一瞬の弱さであって、正しき道を歩む事によってそれを克服できるものなのかという事である。ケンドリックはリスナーにちゃんとした答えを与えはしないけれど、別のアルバムを二枚、そして二通りの終わり方を作ったのだ。一方では、答えが「悪意」であり、最後にケンドリックが死を迎える。もう一方では、「弱さ」が答えであり、その弱さを乗り越え、最後に晴れて華やかに生きる。BLOOD.の歌詞の中でケンドリックが「君次第。俺らは生きるか死ぬか」という場面は極めて意図的なもの。彼は文字通り、私たちリスナーに宣言している。 子供の時によく読むマルチ・エンディング小説のように、「DAMN.」を経験する方法は「ふた通りあるよ。君たちが選ぶんだよ」と。
ゼイン・ロウとのインタビューの中でケンドリックが出したもう一つ肝心なヒントとは、アルバムを経験するその方法についてだった。
「アルバムの Direction [方向性・または順序] とメッセージを十分に理解するために何度も何度も聞き直す必要がある」。
ケンドリックがいう「Direction」と聞くと、「方向性」や「テーマ」と捉えがちだが、極めて正確に言葉(多くの場合は二重の意味を持つ言葉)を選ぶ事を天職とするケンドリックの事であるから、「Direction」という単語は意外と文字通り「アルバムを聴く順序」を意味するかもしれない。

kendrick

アルバムをそのままリリースされた通りの順番に聴いていくと、段々悟りを開いていく様子が描かれており、私たちリスナーもその道を誘導される。「悪意か弱さ」という問いをいくつかの対照的なテーマを通して冒険していく。ケンドリックがとるいくつかの選択からみて、自分は「悪」ではなく、「弱さ」を(多くの場合)克服している様子が伺える。曲順がその進化を物語っているようだ。LUST. [性欲] から LOVE. [愛] 、PRIDE. [プライド]から HUMBLE. [謙虚さ] 、そして FEAR. [恐怖] から GOD. [神] の領域へと移る。
言うまでもなく、彼はもがく。FEAR.では、正義を貫く難しさを明瞭に表現している。
「恐怖の話さ、プライドのせいで忠実を失う恐怖感。神の光をさえぎる自分のDNA。恐怖の話さ、謙虚さを失ってる恐怖感。恐怖の話さ、愛がもうここに宿っていない恐怖感。恐怖の話さ、悪意か弱さかのいずれかしかない恐怖感。恐怖の話さ、どっちにしたって、どちらも特有だ」
同じトラックにはケンドリックの叔父であるカールがある答えを示してくれている。神が与えた十戒を守らない人類に罰を下している、と。しかし道徳的に正しい人生を送れば神による呪いは解けられる、とも語る。
アルバムは DUCKWORTH.で締めくくられる。この曲は、人が弱さを克服し正しき道を歩むことで呪いが覆された様子を描いた最たる一例と言うべきだろう。この曲の中では、ケンドリックの恩師でもあり、所属レーベルの Top Dawg Entertainment のオーナーであるトップ・ドッグことアンソニー・ティフィスと、ケンドリックの父親である Ducky が若い頃に出会った実話を展開していく。ティフィスは昔、ダッキーが働くレストランを強盗した事があり、ダッキーが店員になってからも再び盗みに入るつもりだった。危険を感じたダッキーは、悪人扱いではなく、親切にティフィスに食事を無料で提供したのである。最終的にティフィスは強盗を諦める事にした。その後20年間お互い会う事なく、レコーディングスタジオでやっと再会するまでは、ケンドリックを通しての2人の縁の重大さに気付かなかったのである。20年前に、どちらかが違う行動をとっていたら根本的に異なった人生を送っていた事だろう。ケンドリックは次のようにラップをしている。

“Pay attention, that one decision changed both of they lives, one curse at a time
Reverse the manifest and good karma, and I’ll tell you why
You take two strangers, and put ’em in random predicaments
Give ’em a soul, so they can make their own choices and live with it
Twenty years later, them same strangers you make ’em meet again
Inside recording studios where they reapin’ their benefits
Then you start remindin’ them about that chicken incident
Whoever thought the greatest rapper would be from coincidence?
Because if Anthony killed Ducky, Top Dawg could be servin’ life
While I grew up without a father and die in a gunfight”

ここが物語の肝となり、この一つの選択が彼らの人生を変えることになる。
2人の他人に「人生の選択」をさせるために苦境に投げ入れ、魂を与えてみる。そして20年後、その2人の他人をお互いにもう一度対面させてみる。お互いの利益のためにレコーディングスタジオにいる。そして20年前のチキンの事件について話してみる。彼らの選択/偶然があったがため、最も偉大なラッパーが存在していると誰が思っただろうか?もしアンソニーがダッキーを殺していたなら、「アンソニー”TOP DAWG”ティフス」は終身刑になっていた可能性もあるし、俺(ケンドリック)は父親(ダッキー)がいない生活の影響で道を踏み外し銃殺されていたからだ
引用:http://playatuner.com/2017/04/kendrick-damn-duckworth/
ケンドリックはこの数バーで全てを表に出す。私たちには魂があり選択ができる。ティフィスにはダッキーを強盗する選択肢があったが、その弱さに屈しなかった。その結果2人とも豊かな人生を送り、ケンドリックも生き生きと活動し得ている。
「DAMN.」の物語に度肝を抜かれるようなエンディングを与えるに加えて(14曲目)DUCKWORTH.はもう説明書同然である。曲の最初の方に DJ Kid Capri が言う:「これ逆再生しようぜ」。アルバムの多くの部分と同様、解釈の仕方は様々。「DAMN.」を最初から通して聴くと、単純に「時を遡る」という意味かもしれない。DUCKWORTH.のほとんどが20年前の出来事についてだし。しかし、「DAMN.」と「NATION.」説が出始めてから、今度はアルバムを逆方向、つまり最後から順番に聴くものではないかという別の噂が流れ始めた。「これ逆再生しようぜ」というKid Capriの発言は飾りというよりむしろ説明だったのである。この解釈の方はケンドリックが出したヒント「アルバムの Direction (向き)とメッセージを十分に理解するために何度も何度も聞き直す必要がある」の重要性を解き明かす役割も果たす。

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曲順を逆に聴いていくと「DAMN.」はアルバムとして完全に違ったフィーリングを帯びる。(逆順1曲目)DUCKWORTHの最初から、「悪意」(あるいは運命)というテーマが決定付けられる。歌詞の出だしは「いつも自分vs.世界だった。本当は自分vs.自分だったと気づくまではね」。初っぱなからケンドリックは、この旅の中では、世間が持ちかける弱さを誘惑するような選択と戦うのではなく、戦いは内なるものであって、悪意も同様だと教えてくれている。

曲のタイトル順から見ても、GOD. [神]の領域からFEAR. [恐怖]へ、 LOVE. [愛]からLUST. [性欲] 、そしてHUMBLE. [謙虚さ]を捨てPRIDE. [プライド]を抱くように、「悪意」への道を少しずつ滑り落ちていき、アルバムは違った音の弧を描きながら進む。本来の順番だと「DAMN.」は徐々に内省的そして旋律美しくなっていき最後に深くソウルフルなDUCKWORTH.で終わる 。逆順で聴くと、徐々に攻撃的になっていき、最後にウルトラ反感的なDNA.で終わる。DUCKWORTH.が選択の自由と弱さの超越を訴える一方、DNA.は完全にケンドリックの悪意は切り離せない、自分と結線されたものだと宣言しており、最後のヴァースでは自分の死を予告し、悪意は本質的に自分の一部と認めている。「いつなのか教えてくれ、破壊は自分の運命、君の運命、俺らの信仰。地球に平和を、回転させたまえ。セックス、マネー、マーダー、俺らのDNA」。

もちろん逆順に聴いた際のラストナンバーはBLOOD.であり、曲の結末にケンドリックは銃で撃たれて死ぬ。彼の死はアルバム中幾たびにも渡り宣告されており、銃声と全トラックの高速巻き戻しの音で終わる DUCKWORTH.から始まり DNA.へと続く。ケンドリックを撃ち殺すのは女性で、これもただの偶然ではない。前作のアルバム「To Pimp A Butterfly」では、何度もルーシー(ルシファー[魔王]の略)という女性に言及している。ルーシーとは誘惑する女であり、常にケンドリックを破壊的な状況へと誘う人物。同アルバムの How Much A Dollar Cost という曲で神と直面する場面を考慮に入れると、最後に悪意の道を進み悪魔の手によって死を迎えるのはおかしな発想ではない。

逆順に聴いた時にBLOOD.のドラマティックな終わり方以外に、「DAMN.」の他の部分もまた違ったニュアンスで一致し始める。例えば FEAR.に話しを戻すと、カール叔父さんが最後にいうこと「これらの法、規則、戒めに舵を切って神に従わない限り、これらの呪いは解せられない。その時まで、今、この土地、アメリカ合衆国で、この人生でずっと低い領域で生き続ける他ない。愛しているよ、坊や。君のために祈る。神のご加護があらんことを。シャローム[平和]。」逆順だとこれに続く曲は XXX.で、その出だしでは Bekon [プロデューサー] がこう歌う「アメリカ、君にとって良いものなら神の恵みを。アメリカ、どうか俺の手をとって。くれないかな、俺に理解を…」

こういったニュアンスが次々と明かされていくのをみると、逆順が正しい順番ではないかと信じやすくなるのだ。しかし、繰り返し、BLOOD.から聴いた時に最初に出て来る言葉は「悪意か、弱さか。君が決めるんだ。俺らは生きるか、それとも死ぬのか」である。DUCKWORTH.はティフィスが弱さを拒み、カール叔父さんがFEAR.で言う呪いを解けたため、ケンドリックが生き生きとしているところで終わる。BLOOD.は DNA に植え込まれている悪意のせいでケンドリックが神の恩寵を失い悪魔の手に転落して死ぬところで終わる。BLOOD.は始まりなのか、終わりなのか。
「そこが全てだよ。」

ゼイン・ロウのに対してケンドリックがそう答えたのは、やっぱりアルバムを両方向に聴くために作られたものだと示唆している。昔からケンドリックとコラボを重ねてきた Sounwave のツイッターを見ればこの見解に根拠を与える。アルバムのリリースを前にして、ケンドリックは謎めいた投稿をしているのだ。それは映画「マトリックス」に登場するモーフィアス役のローレンス・フィッシュバーンの画像。椅子に腰掛けたモーフィアスが、主人公にどちらの現実を見たいか尋ねている時のアレだ。「青いピルを飲むと物語はおしまいだ。ベッドで目覚め、あとは好きに考えれば良い。赤いピルを飲むと君は不思議の国にとどまる。ウサギの穴がどれだけ深いか見せてあげよう」。赤と青。またこの二色だ。

ケンドリックはやはり、4月14日にアルバムを二枚リリースしたのだ。一枚目、曲の表記順に聴く方、それは赤いアルバムと呼んで良いだろう。悟りを象徴するアルバムだからだ。人間とは、時に弱さに負けるが、それを超越し正道を歩む事もできる。二枚目のアルバム、逆順に聴く方は青。死で終わるし(ケンドリックが Spotify のプロフィール写真の更新に使った背景の色)。悪意が破滅的な週末を暗示し、そしてそれに応える。

曲順、または BLOOD.と DUCKWORTH の始まり兼終わりという関係性以外に、聴く向きを変えた時に意味も変化する箇所やテーマが他に数多くある。Kid Capri が果たす役割が最も分かりやすい例の一つで、初めから聴くと3曲目の YAH.までは登場しない。しかも「ニュー・シット。ニューカンフー・ケニー」と言うだけ。他に何度か登場し、その存在感といったら90年代や00年代の彼のミックス・テープを連想させるような、声がテープの意気込みを決めるような不可欠な感じがする。しかし逆順に聴いた時、ムード設定のためのアドリブよりむしろ語りの展開を促すように聞こえてくる。DUCKWORTH.の「逆再生しようぜ」という彼の指示以外に、FEEL.や ELEMENT.の移り変わりの声もどちらかと言うと解説として聞こえてくる。ケンドリックが繰り返しに使うリフレーン”Ain’t nobody praying for me” [誰も俺のために祈りなんかしてねえ]を肯定するかのように ELEMENT.の中でも「ニューカンフー・ケニー。誰も俺のために祈りなんかしてねえ」と言っている。しかも”Ya’ll know what happens on Earth stays on Earth” [みんなもう知ってるよな。地球で起きる事は全部、地球にとどまる]とも言っており、ケンドリックの死を予見している。

他の例はというと、ケンドリックのカール叔父さんの役割である。YAH.の中でちょっとだけ触れているが、FEAR.まで来ると叔父さんの重役性がわかる。ケンドリックがアルバム中に「誰も俺のために祈りなんかしてねえ」を繰り返してから、やっとカール叔父さんが実際に、文字通りにケンドリックのために祈っている事に気付く。そしてカール叔父さんの啓示が正にケンドリックを正道に導くための助言になっている。

しかし逆順に聴くと、叔父さんの知恵ある言葉を聞いても、それを振り切り、悪道を歩み続ける。FEAR.で孤独感が増し、YAH.では「いとこからの電話があった、いとこのカール・ダックワースからだ。“自分の価値を知れ”と彼がいうんだ。旧約聖書[申命記]によると皆呪われてるぜ。あいつは地上を歩くの知ってるけれど、それよりお金をゲット、女をひっぱたこう」と言い、叔父さんの事を完全に否定している。教えを無視したケンドリックは命を失う事になる。

これ以外にも例はまだいくつかあるでしょう。「DAMN.」以上に密度の濃い作品はなかなかない。両方向のいずれの「アルバム」に於いても。ゼイン・ロウとのインタビューでケンドリックは「このアルバム、20年先にだって生きていてほしい」と語る。アルバムの中に更にもう一枚アルバムがあるという信じがたいオリジナリティを考えると、「DAMN.」はこれからもずっと生き続ける事間違いない。

翻訳: Corey Turpin